第534回・台湾の日本統治時代建築(台中その他編)

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前回に続き、台湾に残る日本統治時代の建物紹介。
今回は台北以外の地で撮影した建物を紹介させて頂くが、前回に比べて数が少ないのはご容赦頂きたい。
実際には、ブログ管理人が訪れた地以外にも多くの建物が残されている。それらは是非台湾を訪れて直接訪ねて頂きたい。前回記事も含めここに紹介する建物は、ごく一部に過ぎないのである。

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大正2年(1913)に竣工した新竹駅舎。台湾から台中へ南下する列車の車中から撮ったもの。
台湾には弊ブログで過去紹介した台中駅舎やこの新竹駅舎など、美しい洋風建築の駅舎も多く残されている。
設計は台北の旧西門市場の設計にも携わった松ヶ崎萬長。省定古蹟。

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阿里山の森の中に建つ貴賓館。大正9年(1920)竣工。
隣接する玉山(日本統治時代は新高山)と共に、日本統治時代は国立公園に指定されていた阿里山を訪れた皇族や政府高官の休憩・宿泊用に建てられた洋館。戦後は蒋介石が3回宿泊している。現在は歴史遺産として一般公開している。(訪問時は補修工事中だったためか、開いていなかった)

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台中に本店を持つ、台湾を代表する大手銀行・彰化銀行(日本での名称は彰化商業銀行)の本店ビルは、昭和13年(1938)竣工。彰化銀行は明治38年(1905)創立の歴史ある金融機関である。

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明治44年(1911)竣工の旧台中市庁舎。戦後は1986年まで国民党の施設として使われていた。現在は修復工事を経て、市政資料館として使用されている。

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小規模な建物だが、角地に面してドーム屋根を戴く古典様式の堂々たる玄関を構える。

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2002年に「歴史建築」に登録されているとのことだが、「歴史建築」というのは、日本の登録文化財制度のようなものだろうか。

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構造は煉瓦、木造、鉄筋コンクリート、鉄骨の混合構造。

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旧台中市役所と道路を隔てて向かい合うのが、旧台中州庁舎。
大正2年(1913)に台中庁庁舎として竣工、大正9年に台中庁を廃し台中州が設置されたことにより以後台中州庁舎として使われる。現在も台中市政府として使われている現役の庁舎である。

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設計は台湾の官公庁舎を数多く手掛けた森山松之助。旧台中市役所と同様、角地に玄関を配する構成。このような構成は内地の官公庁舎ではあまり見られない。

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大正後期と昭和初期に増築工事が行われている。歴史建築登録を経て現在は市定古蹟。

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台湾では新しい建築もどんどん建てる一方で、既存の歴史的建築は積極的に保存・活用を図っている。それも日本で多い、開発と保存の折衷的な一部保存などは殆ど見られず、原型をそのまま残している事例が多いように思えた。この違いは何に起因するのかは何とも言えないが、日本が見習うべきものが台湾にはあるのは確かである。

台湾の日本統治時代建築 おわり

(参考文献)
「図説 台湾都市物語」後藤治監修、王惠君・二村悟著 河出書房新社 平成22年
「台湾 日本統治時代の歴史遺産を歩く」片倉佳史著 戎光祥出版 平成16年
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第533回・台湾の日本統治時代建築(台北編)

台湾は気候風土に恵まれた魅力ある国である。
弊ブログでは以前、台湾に残る日本統治時代の建物として、旧台湾総督府庁舎旧台湾総督府博物館などを紹介しているが、まだ紹介していない建物について、ごく一部に過ぎないが、自ら写真に撮った限りのものをここに紹介したい。

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日本人がかつてこの地に残した建築物を、台湾の人々は歴史遺産として評価し、積極的に保存・活用している。東日本大震災の折には、巨額の義捐金を集めて贈ってくれた屈指の親日国でもある台湾の魅力の一端を、建築を通じて少しでも伝えられたらと思う次第である。
なお、本記事の写真は全て平成17年11月に台湾を訪問したときの写真である。現状とは異なる建物もあるかも知れないので、この点予めお断りさせて頂く。

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まずは日本統治時代の建物ではないが、台北府城北門。
日本統治前、清朝時代の1882年(明治15年)創建。台北府城で唯一残る清朝時代創建の門。

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日清戦争下の明治28年(1895)、北白川宮殿下が近衛師団を率いてこの門から入城された。
同年、下関条約により台湾は日本領土となり、50年に亘る日本統治時代が始まる。

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現在は「台北賓館」として国賓などを迎えるための迎賓館となっているのが旧台湾総督官邸。
明治34年(1901)に建てられた木造の官邸が、白蟻による被害が甚だしいため大正2年(1913)に、煉瓦・石、一部鉄筋コンクリートの混構造で改築されたものである。

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国定古蹟の指定を受けており、近年大規模な修復工事が行われた。
総統府(旧台湾総督府)に近い位置に建っており、総統府と同様内部公開も定期的に行っている。

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旧総督府の正面向かって左側に建つ、旧台北地方法院庁舎。昭和9年(1934)竣工で設計は台湾総督府官房営繕課。旧総督府周辺には、日本統治時代からの官庁建築が多く残されている。

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当初鉄筋コンクリート造3階建であったが、戦後国民党政権時代に4階部分が増築されている。
現在は役目を終え、博物館などへの転用が検討されているらしいが、現状は不詳である。

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建物の見栄えから言えば、改修に際しては、できれば増築部分は撤去してもらえるとありがたいのだが。
4階部分を取り払えば、塔屋が見違えるほど引き立つ筈である。

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緑色のタイルを貼った壁面は同時期の日本内地の官公庁舎では見られない独特のものであるが、創建当初からのものか、それとも国民党政府時代の改修かは分からない。

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明治41年(1908)竣工の旧西門市場。三級古蹟の指定を受けている。設計は台湾総督府に在籍した近藤十郎と松ヶ崎萬長。松ヶ崎は栃木県那須の旧青木家別邸(国指定重要文化財)の設計者としても知られる。

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大正5年(1916)竣工の旧台北医院(のち台北帝国大学附属病院)は市定古蹟。煉瓦造の本館の背後に後から増改築された病棟が連なる構成になっている。総督府は統治に際して現地の衛生面の改善に力を入れ、台北医院は台湾最大の医療施設であった。現在も台湾大学付属医院として現役である。

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台北府城北門近くに建つ、旧台湾総督府鉄道部庁舎。大正8年(1919)竣工で三級古蹟。
1980年代まで台湾省鉄路管理局として使用されていた。

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煉瓦と木造の混構造でハーフチンバー風の外観が特徴。

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撮影当時は老朽化が激しく、特に二階から上部の痛みがひどかったが、現在は大規模な修復工事が進められているようだ。

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鉄道部庁舎と斜め向かいに位置するのが、昭和5年(1930)竣工の旧台北郵便局。鉄道部庁舎と同じく三級古蹟指定。現在も郵便局として現役である。

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建物前面を残して高層ビルに改築された東京中央郵便局と竣工年は1年しか違わないが、東京中央郵便局が装飾を持たないモダニズム建築であるのに対し、台北郵便局は装飾豊かな様式建築として建てられた。

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この建物も写真では老朽化した印象は否めないが、こちらも現在改修工事中のようだ。

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重厚華麗でかつ古典的な様式建築ばかりではなく、昭和戦前のモダニズム建築もある。
昭和12年(1937)竣工の旧台北電信局。市定古蹟。
戦後4階が増築されるなどの改装を受けている。

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旧台北公園(現・二二八和平紀念公園)内にある放送亭。
公園利用者がラジオ放送を聴けるように昭和9年(1934)に設置された。
背後のドームを持つ建物は、以前取り上げた旧台湾総督府博物館。

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昭和13年(1938)竣工の台湾銀行本店。市定古蹟。
国策に基づいて明治32年に設立された紙幣発行権も有する特殊銀行・台湾銀行の本店ビル。現在残る建物は当初の木造洋館を建て替えた二代目。

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設計は大正から昭和にかけて第一銀行本支店を多く手掛けた西村好時。

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現在は同じ名称で、中華民国政府全額出資の国営銀行となっている。

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旧帝国生命台北支店。昭和5~15年(1930年代)頃の建物と推測されている。
上記の台湾銀行が現在使用している。市定古蹟。

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昭和2年(1927)頃の建築と考えられている旧台北信用金庫。現在は合作金庫銀行。市定古蹟。
アーケードを設けているのは暑い気候を考慮した台湾ならではの特色。

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撮影当時は外壁補修中であったが、旧台北市公会堂。昭和11年(1936)竣工で二級古蹟。
昭和天皇即位御大典の記念事業として建てられた。

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設計は台湾総督府官房営繕課、台北市土木課並びに営繕課。

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外壁のタイルは台北郊外の北投(台湾でも指折りの温泉地としても知られる)の窯で焼かれたものが用いられている。

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昭和20年、敗戦により日本は台湾の施政権を中華民国に移譲することになる。10月25日にこの建物で台湾地区降伏式が執り行われ、ここに半世紀に亘る日本の台湾統治は実質的に終了した。

台湾の日本統治時代建築(台北編)おわり

次回も、台中など台北以外の地に残る日本統治時代の建物を紹介させて頂く予定。

第168回・旧台中公園湖心亭(現中山公園湖心亭)

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台湾が日本統治領であった明治41年(1908)に、台中市の台中公園(現中山公園)で催された台湾縦貫鉄道全線開通記念式典に出席された閑院宮殿下のための臨席所として建てられた亭。

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設計は台湾総督府技師の福田東吾。

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現在も台中の名所のひとつとして親しまれている。

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尖がり屋根に三角形の柱など、明治時代の建築とは思えない斬新な造形である。

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内部。

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台中市の市定古蹟に指定されている。

第150回・台中駅舎

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台湾には駅舎建築にも日本統治時代の遺構が結構残っている。
台中駅舎はその中でも代表格と言ってよい。大正6年(1917)竣工。設計は台湾総督府交通局。

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堂々たる外観の煉瓦造平屋建。

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以前は大きな駅名看板やデジタル時計が掲げられていたが現在は撤去、建物の持ち味を損なわないよう配慮されている。

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旧状を大変よく残している。

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内部の保存状態もよい。

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1999年の地震で破損したが、補強・修復され今も現役。史跡にも指定されている。

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夜はライトアップされる。

第80回・北投温泉博物館

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現存する近代日本の歴史的遺産(台湾など旧日本領土も含む)を建造物・土木構造物を中心に、思いつくままに取り上げております。

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