第891回・旧第二高等学校書庫(東北大学文学部考古学収蔵室)

P3171972_convert_20150413231938.jpg

東北大学片平キャンパスにはこれまで紹介してきた旧東北帝国大学のほか、同じく東北大学の前身のひとつである旧第二高等学校の遺構も残されている。明治43年(1910)以前の創建と考えられている煉瓦造の旧第二高等学校書庫は現在、東北大学文学部考古学収蔵室として使われている。

P3171979_convert_20150413231806.jpg

仙台市内では極めて数少ない、もしくは他には殆ど現存しないと思われる明治期の煉瓦造建築である。

P3171971_convert_20150413232028.jpg

旧制高等学校のなかで、ナンバースクールと呼ばれたのは第一(東京)、第二(仙台)、第三(京都)、第四(金沢)、第五(熊本)、第六(岡山)、第七(鹿児島)、第八(名古屋)の8校があり、第二高等学校は明治20年(1887)に設立された。

P3171973_convert_20150413232457.jpg

旧制高等学校の施設では、第一、第四、第五の3校にはそれぞれ旧本館が現存する。そのうち明治期の煉瓦建築である旧四高、旧五高本館は国指定重要文化財として保存・公開されている。また現在東京大学教養学部1号館となっている東京の旧一高本館は国登録有形文化財となっている。

P3171976_convert_20150413232605.jpg

また名古屋の旧四高では旧正門が現存、現在犬山市の明治村正門として使われており、これも国指定重要文化財となっている。また京都の旧三高も正門や一部の校舎は現在京都大学の一部として使われており、国登録有形文化財となっている。

P3171977_convert_20150413232319222.jpg

なお当ブログでは、東京の旧一高等学校本館、金沢の旧第四高等学校本館、及び京都の旧第三高等学校正門(旧京都帝国大学本館の記事の一部として)を既に紹介済みである。

P3171975_convert_20150413232235.jpg

焼き過ぎ煉瓦と呼ばれる焦茶色の煉瓦を部分的に用い、意匠上装飾的な役割を果たしている。

P3171982_convert_20150413231636.jpg

旧書庫に隣接する建物は近年の新築と思われるが、外壁は以前取り上げた旧理学部化学教室旧工学部金属工学教室と同様、茶褐色のスクラッチタイル仕上げとなっている。

P317198322_convert_20150413231544.jpg

旧書庫とよく調和している。

P3171980_convert_20150413231727.jpg

東北大学片平キャンパスに現存する旧第二高等学校の遺構は書庫のほか、木造の階段教室の一部が残されている。
スポンサーサイト

第890回・旧東北帝国大学工学部金属工学教室

P31718932_convert_20150401225116.jpg

今回も東北大学片平キャンパスの建物。東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)本館は、平成23年(2011)に竣工した現代建築であるが、前身建物である大正13年(1924)竣工の旧東北帝国大学工学部金属工学教室を、外壁をほぼ全面的に保全する形で改築したものである。

P31718922_convert_20150401225156.jpg

片平キャンパスの北門傍に建っており、前々回記事で紹介した旧東北帝国大学理学部化学教室(東北大学本部棟)に隣接している。

P3171898_convert_20150401225523.jpg

旧理学部化学教室と比較すると、外壁は同じ茶褐色のスクラッチタイル仕上げで共通しているが、窓は縦に細長く小さいのが分かる。

P31719001_convert_20150401230129.jpg

改築工事が終盤にさしかかった平成23年3月11日に東日本大震災に遭遇するが被害はほとんど無く、同年10月に無事竣工した。

P3171901_convert_20150401225409.jpg

裏側は現代的な外観で増築が施されている。また旧建物も外壁のみ残し、内部は構造体も含めて一新されている。

P3172023_convert_20150401230101.jpg

ただし街路に面した壁面は、増築部分も旧建物と同じスクラッチタイル仕上げとして旧建物の外壁と違和感が無いように仕上げられている。

P3171896_convert_20150401230002.jpg

基壇部分は軟らかい質感の石を積み上げた仕上げとなっている。

P31718992_convert_20150401230255.jpg

隣接する旧理学部化学教室(東北大学本部棟)と共に、大掛かりな再生工事が行われた旧東北帝大施設の建物である。

P3171894_convert_20150401225301.jpg

90年の歳月を経たスクラッチタイル貼りの重厚な外観は、今も往時のまま残されている。

P3171897_convert_20150401230449.jpg

(参考)東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)ホームページ
AIMR本館について
http://www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp/jp/about/outline/building.html

第889回・旧東北帝国大学工学部機械・電気工学教室

P31719902_convert_20150401232639.jpg

前回更新からしばらく日が経ってしまい恐縮だが、今回記事も前回に引き続き、旧東北帝国大学の施設紹介としたい。現在は東北大学多元研素材工学研究棟として使われている写真の建物は、東北帝国大学工学部機械・電気工学教室として昭和5年(1930)に建てられた。

P3171997_convert_20150401233115.jpg

東北大学片平キャンパス構内の近代建築群のひとつである。前回記事の本部棟玄関が近代的な意匠であるのに対し、古典的な意匠の玄関が特徴である。

P3171993_convert_20150401232804.jpg

旧校舎は東北帝大工学部の前身に当たる仙台高等工業学校の校舎を使用していたが、大正15年の火災で焼失したため現在の建物が建てられた。

P3171989_convert_20150401232936.jpg

外壁は中央部分のみ石張りとして、両翼部の壁面はごく簡素な仕上げ。

P31719982_convert_20150401234002.jpg

1階は半円アーチを連ねる。

P31719852_convert_20150401234210.jpg

正面の重厚な石造アーチを備えた玄関ポーチが、外観の最大の特徴となっている。

P31719922_convert_20150401234443.jpg

内部も円柱やタイル張りの床のある階段ホールなど、旧帝国大学の気品を感じさせる造りが残されているという。

P3172000_convert_20150401233255.jpg

研究棟の裏手にある多元研事務室。
一階の窓を半円アーチとするところや二階外壁を白く仕上げるところは研究棟と共通する。

P3172002_convert_20150401234254.jpg

研究棟と異なるのは、一階外壁を茶褐色のタイル貼り仕上げとする点。

P3172007_convert_20150401233749.jpg

多元研事務室二階外壁にある、アールデコ調の装飾レリーフ。

P3171991_convert_20150401234538.jpg

旧東北帝国大学工学部の歴史を伝えている現役の校舎である。

第888回・旧東北帝国大学理学部化学教室(東北大学本部棟)

P3171917_convert_20150331221441.jpg

宮城県仙台市は戦災による被害が甚大であったことから、近代以前の歴史的な建物は多く残されていない。しかし仙台市の中心街に位置する東北大学片平キャンパスは例外で、旧東北帝国大学の施設が多く残されている。そのひとつが現在東北大学本部棟として使われている、昭和10年(1935)竣工の旧東北帝国大学理学部化学教室である。

P3171911_convert_20150331222723.jpg

東北大学片平キャンパスの近代建築群は、近年改修工事を受け再生された建物も多い。本部棟もそのひとつである。

P3171922_convert_20150331221730.jpg

垂直線を強調した外観。

P3171909_convert_20150331221928.jpg

片平キャンパスに現存する旧東北帝国大学施設群の中でも、特に大規模な建物である。

P31719102_convert_20150331222459.jpg

壁面には昭和戦前期の建物によく見られる茶褐色のスクラッチタイルを貼る。

P3171914_convert_20150331221848.jpg

昭和2年(1927)に第1期工事が竣工するが、昭和10年に特徴的な玄関を含めた全館が竣工、現在の姿になった。

P3171918_convert_20150331221618.jpg

設計は文部省(東北帝国大学営繕課)による。

P3171912_convert_20150331222828.jpg

大きく取った窓や装飾を省いた機能的な外観は、同時期の建物では東京中央郵便局(昭和6年竣工)を連想させる。

P31719152_convert_20150331222305.jpg

それに対し、簡素ながらも重厚な列柱を並べた玄関まわりは、新古典主義の第一生命館(昭和13年)を連想。

P3172010_convert_20150331222019.jpg

正面には植え込みと芝生が広がり、学生と市民の憩いの場となっているようだ。

P3171916_convert_20150331222101.jpg

現在は東北大学のシンボル的な建物となっている旧理学部化学教室。

その他に現存する旧東北帝国大学の施設は、今後改めて紹介したい。
プロフィール

syoukou

Author:syoukou
(ブログについて)
現存する近代日本の歴史的遺産(台湾など旧日本領土も含む)を建造物・土木構造物を中心に、思いつくままに取り上げております。

(写真について)
写真は特記しない限り管理人の撮影です。また絵葉書等の古写真は管理人の所蔵品、もしくは訪問先の展示品を撮影したものです。利用・転載等希望される場合は管理人まで御連絡頂けると幸いです。

(リンクについて)
リンクはフリーです。なお、リンクを張らせて頂いている他の方のページは一部を除き相互リンクとなっております。

(コメントについて)
記事と関係の無いコメントは削除させて頂く場合もあります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード