第983回・旧楽天堂病院・山本医院

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香川県仲多度郡多度津町には、明治22年(1889)に四国で2番目に開業した鉄道会社である讃岐鉄道の車両修繕工場として発足した歴史を有するJR四国多度津工場がある。その近所に、2棟の洋風医院建築が向かい合って建っている。

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アーチ窓が連なる華麗な外観の旧楽天堂病院と、直線を強調した意匠が特徴的な山本医院で、共に大正時代の建築とされている。そのうち山本医院は現在も現役の医院であり、建物は国の登録有形文化財である。

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善通寺と丸亀の間に位置する多度津は、古くから瀬戸内の港町として栄え、現在も歴史ある佇まいの建造物が多く残る。2棟の医院建築は多度津を代表する洋風建築といってもよい。

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旧楽天堂病院は大正元年(1912)の建築とされる。昭和50年代までは医院として使われていたが、現在は会社の事務所として使われているようだ。

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玄関ポーチの正面上部には「Rakutendo - Hospital」の文字が残る。

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随所に凝ったモルタル製の装飾が施されているが老朽が進んでおり、欠損が見られる箇所も多い。

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小規模ながらも濃密な意匠の洋館であるという点では、岡山県津山市の旧中島病院を連想させる。なお、つい近年までは通りに面して透かし模様が凝ったモルタル塗りの塀が建っていたが、改修により撤去されてしまったようだ。

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背面に廻ると伝統的な木造家屋に洋館風の壁面を立てまわした、一種の「看板建築」であることが分かる。

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現在も改修を施しながら、現役の医院として大切に使われている山本医院。

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洋風の診療棟の背面には和風の居住棟や蔵が続いている。

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旧楽天堂病院ほど派手ではないが、山本医院も玄関や軒まわりなど、随所に凝ったモルタル製の装飾が施されている。

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華やかな旧楽天堂病院と比べると堅い印象の外観である。

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玄関部の頂部は山本医院の「山」の文字を表しているのだろうか?

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斜めに向き合う2棟の医院。
旧楽天堂病院の老朽化が進んでいるのが不安であるが、2棟共に多度津を代表する洋風建築としてこれからも健在であることを願う。
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多度津の病院

多度津駅から1km程歩くと見えたのは大正元年竣工の旧楽天堂病院 のちに木谷歯科として町民に親しまれてきました 今でも Lakutendo hospital と読み取れます 道路を挟んだ向かいには山本医院 こちらは現役です 2013.07.29

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