第1107回・浅野小児科医院

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島根県松江市末次町にある浅野小児科医院は、大正元年(1912)に小児科医院として建てられた端正な意匠の洋風建築。現在も創建当初と変わらず小児科として診療を行っている。国登録有形文化財。

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第二次大戦の戦災を免れた島根県松江市には、国宝・松江城を始め、城下町の名残を残す歴史ある建物が随所に残されている。浅野小児科医院は現存する松江市の洋風建築の中でも、代表的な存在のひとつである。

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木造であるが、ドリス式双子柱で飾られた玄関ポーチや大オーダーで3分割された外壁など、石造の洋風建築を思わせる端正な意匠が施されている。

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竣工とほぼ同時期に明治天皇崩御、大正改元を迎えたため、竣工の祝宴を急遽取りやめたという挿話も残されている。(「中国地方の西洋館」 白石直典著 平成3年中国新聞社刊)

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外観を保存しながら引き続き医院として使用するために、平成元年(1989)に大規模な改修が行われた。(→参考

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玄関ポーチの上部はバルコニーとする。玄関扉は現代的に改造されているが、その上には「浅野小児科醫院」と正字体で記された白い陶器の表札が架かっており、小児科としての長い歴史を伝えている。

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ピンク色の塗装は創建当初の色調を再現したものである。平成元年の改修から30年近くを経て色が褪せていたため、近年外壁の塗り直しと老朽箇所の改修工事が施されている。(→参考その2

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基壇部分に使われている石材は地元で産出される石が用いられている。
また、袖壁にはシングル材がうろこ状に貼られており、目を引く。

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平成19年(2007)に国の登録有形文化財となっている。

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代々に亘って建物を大事に使い続けてきた所有者に、改修・修復を手掛ける建築士や業者にも恵まれ、そして住民にも親しまれている幸福な建物である。
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