第1110回・翠川医院

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長野県岡谷市中央町1、JR岡谷駅前にある翠川医院は昭和6年(1931)の開院当初の建物で現在も診療を行っている。木造2階建て洋館の診療棟は門構えから附属等に至るまで創建当初の佇まいを残している。

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JR中央本線岡谷駅から徒歩3分程度の位置にある翠川医院。

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門柱には「翠川醫院」と正字体で記された陶器か大理石製と思われる表札が掛かる。
門柱に続くコンクリート塀も創建当初のものと思われる。

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岡谷市医師会のホームページにて、翠川医院の現院長が自ら描かれた油絵と共に医院の建物について紹介されている。昭和6年の開業に際し建てられたもののようであり、「絶対取りこわさない様に」と註文する患者もあるという。

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正面に建つ診療棟は木造2階建、外壁は大部分がペンキ塗り下見板張りで、2階の一部をモルタル塗り仕上げとする。レントゲン室等の付属棟と思われる平屋の建物が隣接する。

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診療棟側面。
背面には住居として建てられたと思われる和風の建物が続いている。

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赤い鉄板葺きの屋根には小さな屋根窓が2つ配されている。
屋根窓の形状は同じ岡谷にある洋館で、前回取り上げた旧片倉組事務所のものと似ている。

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軒裏には丸に十字形の換気口が開かれている。

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玄関ポーチの形状は同じく岡谷にある旧山一林組製糸事務所のものと似ている。旧片倉組事務所とともに、医院新築に際し、昭和6年当時既に岡谷に建っていたこれらの洋風建築を参考にした可能性も考えられる。

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戦前の建物で現在も診療を続けている医院は各地に存在し、弊ブログで紹介したものでも山形市の吉池医院、栃木市の栃木病院、和歌山市の滋野医院、香川県多度津町の山本医院、松江市の浅野医院、長野県では松本市の宮島医院などがあり、登録文化財になっているものもある。この医院もこれからも長く現役で使い続けて頂きたいものである。
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