第1112回・旧大社駅

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前回紹介した一畑電鉄出雲大社前駅から少し離れた場所には、廃線となった旧JR大社線の跡がある。現在は大正13年(1924)に建てられた駅舎とホームが残されており、保存・公開されている。優れた意匠の木造和風駅舎として国の重要文化財に指定されている。

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旧大社駅全景。6年後に建てられた洋風建築の出雲大社前駅とは好対照を為している。また、現存する戦前の和風木造駅舎としては京都の旧二条駅舎(明治37年、京都市指定有形文化財)と並ぶ傑作である。

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旧大社線は鉄道院(のち鉄道省を経て国鉄、現在のJR)によって明治45年(1912)に開業、大社駅は出雲大社参詣の表玄関として設置された。

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現在の駅舎は大正13年に改築された2代目で、平成2年(1990)のJR大社線廃線に伴い廃止されるまで使用されていた。

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設計は鉄道省神戸鉄道管理局の技手であった丹羽三雄による。出雲大社の表玄関を意識した和風意匠が施されており、先述の二条駅や、当時鉄道省が経営していた奈良ホテルも参考にしたのではないかと思わせる和風駅舎である。

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廃止後は出雲市の所有となり、島根県の指定文化財を経て平成16年(2004)に国の重要文化財に指定された。また出雲大社前駅と同様、経済産業省の近代化産業遺産にも認定されている。

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正面の軒下には旧二条駅と同様に利用客用の待合スペースが設けられており、ベンチが置かれている。

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正面玄関。

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内部は旧二条駅とは異なって平屋建てとなっており、中央部分は豪壮な吹き抜けを持つ待合室兼改札ホールとなっている。

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和風意匠の天井シャンデリア。

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和風装飾が施された出札口。

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旧特別待合室の天井。

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旧ホームから望む駅舎。

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駅表示板など、平成2年の廃止当時のまま時が止まったような印象を受ける。

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重要文化財である旧駅本屋はよく維持管理されているが、附属のホームや線路跡は至るところに草が生え、風化が進んでいる印象を受ける。

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ホームの一角に静態保存されている国鉄D51形蒸気機関車。

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利用者だけでなく出雲大社参拝の観光客など多くの人が出入りしていた出雲大社前駅に対し、旧大社駅は出雲大社からはより遠い位置にあるためか周辺にも観光客の姿は少なく、中も外もガランとしていたのが印象的であった。

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全国屈指の戦前の名駅舎と言ってもよいだけに、往年の賑わいを取り戻せるような利活用はできないものだろうかと考えさせられる。
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