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第1249回・旧門司税関

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北九州市門司区の門司港レトロ地区にある旧門司税関は、明治45年(1912)に門司税関の二代目庁舎として建てられた煉瓦造の洋風建築。税関庁舎としては短命で、昭和2年(1927)に三代目庁舎に役目を譲った後は民間に払い下げられ、倉庫などに使われていた。平成の始めには門司港レトロ地区の整備に伴い改修され、休憩・展望所やイベント会場として活用されている。

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創建当初の古写真(現地に置かれた案内板より)。門司税関は明治22年(1889)に長崎税関の出張所(その後税関支署に昇格)として設置され、明治42年(1909)に長崎税関から分離独立、国内で7番目の税関として発足した。その当時の門司港は横浜、神戸、大阪に次ぐ全国第4位の貿易港であった。

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庁舎はそれまで使用していた税関支署庁舎が明治41年(1908)に火災で焼失していたことから、明治43年(1910)8月に木造のの初代庁舎が新築されるが、竣工から5ヶ月足らずで再び火災で焼失、その跡地に二代目庁舎として建てられたのが今日現存する赤煉瓦の建物である。

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大正から昭和初期にかけて門司港が近代的な貿易港として整備が進むと、門司税関は昭和2年(1927)に西海岸に竣工した合同庁舎(三代目庁舎)に移転する。竣工から15年で役目を終えた二代目庁舎は民間に払い下げられ、倉庫などに使用されていた。

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平成3年(1991)より、北九州市の門司港レトロ事業の一環として4年がかりで改修が行われた。改修直前には窓はモルタルで塞がれるなど改変が甚だしい状態であったが、戦災で焼失した瓦葺の屋根や、後年の改造で一部失われていた赤煉瓦の外壁が復元された。

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海に面した側は特に後年の改造が多かったものと思われ、両側の張り出し部分は新しい煉瓦で復元されていることが分かる。なお、倉庫として使用されていたためか、内部は創建時の面影を残すものは見当たらない。

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正面玄関側からの眺め。堂々とした構えは旧門司駅舎とよい勝負である。

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正面側の外壁は創建当初の煉瓦がよく残されており、基壇部分には焼き過ぎ煉瓦が使用されているのが分かる。手前に貼られているのは経済産業省の近代化産業遺産認定を示すプレート。

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赤煉瓦と焦茶色の焼き過ぎ煉瓦に窓台などに配された白い花崗岩、白く塗られた窓枠の組み合わせがすばらしい。

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全体的に簡素な建物であるが、玄関まわりは花崗岩でできたイオニア式の柱頭飾りや窓飾りを施すなど、装飾的に造られている。

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正面の3つある出入り口のうち、写真右端だけ開口部まわりが白いモルタルで縁取られているが、これは後年の改造である。

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現在、1階には門司税関の常設展示コーナーのほか、休憩室や展示室が設けられ、2階はギャラリーと展望室となっている。

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旧門司駅や旧大阪商船旧門司三井倶楽部などと並ぶ門司港レトロ地区を代表する建物のひとつである。

(参考) 門司税関ホームページ
門司税関庁舎の歴史  (焼失した初代庁舎や今はない三代目庁舎の写真も載っている)
門司税関100周年記念誌
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