第36回・旧日本郵船神戸支店(神戸郵船ビル)

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戦前の時点で既に世界屈指の船会社であった日本郵船の神戸支店として大正7年(1918)竣工。
設計は曽禰中條建築事務所。同事務所は日本郵船の本支店を多く手掛けており、神戸以外では名古屋(大正4)、大阪(大正8)、東京(丸の内郵船ビル、大正12)、門司(昭和2)がある。しかし、そのうち現存するのは神戸と門司のみ。

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この建物は大正7年当時の外観をそのまま残しているわけではない。
昭和20年戦災で大破、戦後に安井建築設計事務所(大阪倶楽部、大阪瓦斯ビルの設計で知られる安井武雄の事務所)の設計で修復・改修が行われ、28年に現在の姿になった。
現在は陸屋根だが、戦前は大小2つのドームを有する天然スレートと銅板葺の屋根だった。

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海岸通に面した南側の玄関。ここは大正7年当初と変わっていない。

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東側の正面玄関。昭和28年改修時のデザイン。しかしこれはこれでよく出来たデザインである。

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海岸通に面した南側外観。基壇の石には戦時中の機銃掃射の痕と思しき傷が複数見られる。

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北側外観。裏通りに面している北、別のビルが隣接していた(今は建物は無い)西の2面は装飾はほとんどない。なお、この建物は鉄骨煉瓦造だが外壁はすべて白タイルと御影石で覆われている。

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南側外観の中央部分。1階部分は戦災前のままだが、2・3階は窓の形が若干改変されている。
当初2階の窓は緩やかなアーチ窓だった。また3階の窓は正方形ではなく縦長窓が二つ並ぶ形だった。玄関部分も戦災前は2・3階にももっと装飾があったようである。そして屋根には小さな円形ドームを載せていた。

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北側を見れば、当初の窓の形が分かる。現在の窓割りは3階の窓が大きすぎてチグハグな印象を受ける。

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船会社なので、帆立貝の装飾がある。

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当初のものか戦後改修時のものか不明だが、華麗な意匠の鉄格子。

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戦災で内装は無論の事、外装も当初の意匠を失った事は惜しまれるが、改修時に新たに加えられた意匠にはまた別の魅力がある。特に東側正面は全体としてよくまとまっており、各地に残る戦災を受けて改修された建築のなかでも、特筆されるべきものではないかと思う。


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