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第638回・東京大学医学部2号館本館

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前回に引き続き、東京大学本郷キャンパスの建物。
正門をくぐった先に見えるのは安田講堂(大講堂)であるが、東大の門として有名なもうひとつの門・赤門をくぐった先に見えるのがこの医学部2号館本館。

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縦の線を強調したような安田講堂に対し、横に長い外観が特徴。
工学部2号館ほか本郷キャンパスの建物と同じく内田祥三の設計で、昭和12年(1937)に竣工。

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但し当初計画どおりに完成しているのは正面だけで、背面は未完のままになっている。

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正面の両端は八角形に張り出した四階建とし、建物全体の外観を引き締めている。

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現在は医学部2号館となっているが、もとは医学部本館として建てられた。
なおこの建物の先代に当たる建物は、東大医学部の前身・東京医学校本館として明治9年に建てられた木造二階建の擬洋風建築であるが、現在も東京大学総合研究博物館小石川分館として現存する。

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連続する半円アーチが特徴の、東大本郷キャンパスの中でもとりわけ美しい建物のひとつ。

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未完とされる背面側。本来ならば中庭のような空間になる筈だったのだろうか。

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東大本郷キャンパス構内の建物を見る上で「東京大学本郷キャンパス案内」(東京大学出版会刊、平成17年)という書籍が大変参考になるが、筆者はこの本を読んで医学部2号館を訪れたら是非見ておきたいものがあった。
背面の出入り口のひとつにひっそりと置かれた、ある記念碑である。

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大正4年から昭和13年まで、病理学教室で使用されていた解剖台に、病理学教室の創設以降三代の教授、三浦守治(1857~1916)・山極勝三郎(1863~1930)・長與又郎(1878~1941)の三名を讃える碑文を刻んで昭和16年に設置されたものである。

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放射状に刻まれた溝は、血液を下に流すためのもの。
以下に碑文を写す。(漢字や表記は可能な限り原文のままとする)

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「この解剖台はわが病理學教室を創設し東京帝國大學の病理學の教授の椅子に初めて就かれつる三浦先生その後を継ぎて癌に関する世界的業績を挙げられつる山極先生教室を拡大し完備しわが國病理學の光輝を内外に發揚せられつる長與先生の三先生が多年傍に立ちて親しく後進の研究を指導振励せられし所のものなり」

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「且つ三浦山極両先生ハ身を斯學の為に捧ぐべくその最期をこの台上に横たへられき」

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「かくも尊き台なるをもて三先生の偉大なる功績を傳へまく不朽の記念として茲ニ之を保存す」

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「わが教室に入らむ者ハ朝に夕に恩徳を仰慕すべきなり   昭和十六年十二月 病理學教室」
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